ここ数年、関内エリアの緑化事業が本格化している。今年3月には壁面緑化スポット「KANNAI NIWA STAND」が完成。今回は、そのお披露目イベントとして行われた「関内GREEN DAY!」の模様を前編後編の2回にわけてレポートします。
「緑化」に取り組む関内エリア、3つ目の壁面緑化「KANNAI NIWA STAND」が完成!
オフィス街や飲食店街でにぎわう関内エリア。普段は忙しなく歩いてしまうことが多いが、スピードを少し落として道端に目を向けると、さまざまな植物が息づいている。
3年前からここ関内地区では、市民団体の「関内地区市街地緑アップ推進会」が地域緑化に取り組んでいる。同推進会は、常磐町・住吉町・相生町・太田町・弁天町の5つの町内会と、海街自治運営会・関内まちづくり振興会が協働して立ち上げたものだ。
その背景には横浜市が推進する「地域緑のまちづくり」計画がある。これまでに推進会が手がけた緑地スポットは二つ。2017年の初年度は、海岸通りに「世界の植物」をテーマとして、船に見立てたプランターを設置した。ここでは熱帯アフリカやニュージーランドなど、世界中からやってきた植物を選定している。翌2018年には弁三ビルの壁面に、枝垂れる植物を生い茂らせ「みどりのポケット」をつくった。
今年で3年目を迎えた「関内地区市街地緑アップ推進会」による緑化事業。満を持して取り組んだのが、株式会社泰有社がオーナーの「泰生ビル」1階にある、BankART HOMEの壁面の緑化「KANNAI NIWA STAND」である。企画・設計を担った株式会社オンデザインパートナーズが着目したのが、防火帯建築と呼ばれる戦後建築「泰生ビル」の“歴史”だった。その壁面に元からあった配管パイプや空調機などを生かし、新たに単管パイプと金網を設置。年月を経て植物が絡みながら成長することで、“経年変化”を楽しむことができる緑化スポットが誕生した。
関内GREEN DAY!「寄せ植えワークショップ」
「KANNAI NIWA STAND」のお披露目を目的として開催された1DAYイベントの「関内GREEN DAY!」。まずは午前中に開催された「寄せ植えワークショップ」の様子からご紹介しよう。
この日ワークショップには、弁三ビルにある明蓬館高校関内SNEC BAY2の生徒たちと、泰生ビルにあるピクニックルームの学童に来ている子どもたち、そしてFacebookなどで情報を見つけて参加した人など、さまざまな年齢層の参加者が集まった。ワークショップのファシリテーションを務めたのは、「KANNAI NIWA STAND」の緑化も手掛けたデスクガーデン代表の吉田健二さんだ。さらに海岸通りのプランターづくりを担当したマインドスケープの大西瞳さん、三好あゆみさんも加わった。参加者は大人チームと子どもチームに分かれ、関内地区の3つの緑化スポットを巡る。最初に両チームが挑戦したのは、海岸通りに設置されたプランターに、新たな植物の苗を植えるワークショップだ。
次に向かったのは、弁三ビルの「みどりのポケット」だ。ここでは大人チームが、伸び過ぎた植物を切る剪定ワークショップに挑戦。
そしてワークショップの最後は、いよいよ「KANNAI NIWA STAND」の仕上げだ。金網に絡みつく、アマチャヅル、ガガイモなどつる性植物の苗を、子どもチームがプランターへ植えていく。
参加者からは、「作ること」が好きで将来何かを作る仕事がしたいというフィードバックもあった。今回のワークショップを通して、街づくりや植物への興味など、好奇心が刺激されたようだ。(後編へ続く)
取材・文:及位友美+佐伯香菜(voids)/写真:中川達彦(ライトハウス)
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