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stay home, keep thinking アフターコロナのためのメールインタビュー vol.6:及位友美

新型コロナウイルスの感染拡大という、数か月前には予想すらできなかった事態。2020年の新年度、誰もがいつもの活動や生活にさまざまな影響を受けました。泰有社のビルに入居するクリエイターたちはいま、なにを考えているのでしょうか。
この時期だからこそ残せる、クリエイターたちの言葉。アフターコロナのためのメールインタビューです。

━ふだんの活動について教えてください。
 

株式会社ボイズ ディレクター、編集・執筆
→媒体制作の編集や記事の執筆、グラフィックデザインの制作にかかわるディレクターをしています。
 

━新型コロナウイルスとともに生きていくうえで、ご自身の生活や活動に対する「考え方」に、どのような変化がありましたか?
 
これまで当たり前だと思っていたことが、当たり前ではなくなってしまいました。どんなに些細なことでも、自分にとって必要なことやものがある状態には、感謝して生きていかなければならないと考えるようになりました。
 

━新型コロナウイルスとともに生きていくうえで、工夫していること、心がけていること、大切にしている心構えなどがあれば教えてください。
 
あらゆることに対する想像力を、これまで以上に鍛えようと心がけています。目に見えないウイルスはもちろん怖いですが、それ以上に怖いのは疑心暗鬼や、周りが見えずに状況を冷静に判断することができなくなってしまう、想像力の乏しさではないでしょう
か。

 

━いま、いちばんリラックスできるのは、どんなときですか?
 
何も考えず、緑のある自然などをぼーっと眺めること。

 

━アーティスト・クリエイターとして、いま、どのような表現/活動をしたいと思いますか? その理由も教えてください。
 誰かにとって必要なこと、記憶や未来に残るものを生み出していきたい、伝えていきたいという気持ちが、これまで以上に強くなりました。日本でもさまざまな災害や震災がこれまでにも起こり、そのたびにいろんなことが変わり、忘却され、その繰り返しのうえにいまがあるのかもしれません。
今回のコロナ禍でも改めてそのことに気づかされたからこそ、「忘却しないためのアーカイヴ」を残すことにかかわっていきたいと思います。
たとえばこのメールインタビューシリーズも、後に振り返ったときに、この時代のひとつのアーカイヴとして、誰かが何かを考えはじめるきっかけになるかもしれない。そういった思いを込めたささやかなシリーズとして、泰有社の伊藤さんとボイズで企画しました。
 

━コロナ禍が「落ち着いた」と言えるようになったとき、いちばんしたいことはなんですか?
心おきなく家族や友人と話したり笑ったり、アート鑑賞めぐりをしていろんなことを考えたり、音楽イベントやスポーツ観戦に出かけてストレス発散したり、映画館で映画を観て思いきり泣いたり、旅行に出かけて自然を満喫したりしたい。五感に感謝しつつ、それをちゃんと使いたい。

━コロナ禍が「落ち着いた」あと、どのような社会になっていてほしいですか? 近い未来に向けて、希望があれば教えてください
 

想像力を失わない社会。対立のあるところには、争いではなく、これまでの方法を塗り替えていく発想の転換やアイデア、他者に対する思いやりによって、解決策を見出していくことのできる社会になってほしいし、目指したい。
大切な家族や仲間たちと気兼ねなく会うことすら困難になってしまい、そういった人たちの命がウイルスによって奪われるかもしれない危機感、行きたいところに行くことができない無力感を経験し、経済活動や生活環境にも大きな打撃を受けた今だからこそ、変われるチャンスでもあると思うし、そうでありたいと思います。
 

━好きな景色、お気に入りの作品の記録写真、誰かと共有したかった日常の一コマ、なんでも構いません。お写真1点を、写真を説明するキャプションとともにお寄せください。

イリヤ&エミリア・カバコフ《人生のアーチ(2015年)》@大地の芸術祭。2017年に参加させてもらったプレスツアーで撮影したもの。自然を満喫できる大地の芸術祭がとても好きで、3年ごとには足を運んでます。カバコフの作品は、松代にある棚田の作品のほうが好きですが、写真が難しかったのでこちらを採用。また行きたい。

profile
及位友美(のぞき・ゆみ)/ディレクター、エディター、ライター
慶應義塾大学美学美術史学専攻卒業。取手アートプロジェクト事務局、NPO法人アートネットワーク・ジャパンなどを経て、2012年よりフリーランスとして横浜を拠点に活動。2015年よりグラフィックデザイナーの岡部正裕とともに株式会社ボイズ(voids)を立ち上げ、媒体制作のディレクションや編集、記事の執筆などに携わる。
voids
http://voids.jp/
横浜市クリエイターデータベース
https://acy.yafjp.org/creatorsdatabase/1066#tab1

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