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オーナーズアイ 水谷浩士×伊藤康文 (泰有通信 vol.6掲載)

私たちは不動産事業をとおして、コミュニティをはぐくむまちづくりに取り組んできました。入居アーティスト・クリエイターの活動を紹介するフリーペーパー「泰有通信 vol.6」のコンテンツを、WEBサイトでもご紹介します。オーナーズアイは、水谷浩士と伊藤康文が泰有社のまわりの出来事を振り返るコーナーです。

対談:水谷浩士(泰有社代表取締役)、伊藤康文(泰有社)
進行:編集部(株式会社ボイズ)

オーナーが2022年度のできごとを振り返ります!

編集部 今年はタムロバが始まり、弘明寺の泰有社コミュニティの活動に、より注目が集まりましたね。
 

伊藤 関内で長く活動してきた経験を、弘明寺にもフィードバックできていると思います。例えばアキナイガーデンは、場所のクオリティを保つためのアプローチをしっかりできているからこそ、クリエイティブな人たちが集まってくる。アキナイガーデンとタムロバのあいだにも交流が生まれていて、同じエリアにおける横のつながりも広がっています。
 

水谷 地元の方々もタムロバを歓迎してくれますが、やはり世代の違いもあり、具体的な交流にはもう少し時間がかかるかもしれません。一方でアキナイガーデンは商店街の路面店なので、良い発信地にもなっています。今後への期待としては、商店街イベントなどにも泰有社コミュニティならではの視点を提案していけるといいですね。
 

編集部 ゼロフェスも盛況でした。住人たちの活動を間近でご覧になって、いかがでしたか?
 

水谷 みんな発想が豊かだし、群れずに一匹狼で進んでいく姿勢には勇気がもらえますね。若い世代との価値観の違いを肌で感じられるのは、会社の経営にとっても重要なこと。よい刺激をもらっています。
 

編集部 GM2ビルにアトリエを構える2人のアーティストの存在も大きいですね。
 

水谷 小泉明郎さんに、ご自身も出展されていた森美術館の展覧会を案内していただいたのは貴重な体験でした。渡辺篤さんもタムロバの住人とアーティストトークを開催するなど、濃く関わってもらっています。
 

編集部 コミュニティは維持していくのも簡単なものではないと思いますが、泰有社がコミュニティを醸成できる秘訣は何ですか?
 

伊藤 泰有社が狙って動いている部分が半分、その後の化学反応が半分という感じかな。関内のトキワビルでは、自治会などの自発的な動きがあって、そこに泰有社も参加させてもらいました。弘明寺のみなさんとも、結局は同じように関わっている気がします。建物は、そこにいる「人」の存在がやはり大きいんです。
 

水谷 すべてを我々がプロデュースしてきたわけではなくて、時代や人とのご縁があったからできたことです。大家と店子の関係をフラットにしたいという思いがあって、それが古いものを活かすビジネスモデルと噛み合っていたのかなと。これからも同じベクトルをもつ人たちにアプローチしていきたいですね。