BankART school 「これからどうなるBankART」研究会
登壇回:2022年7月14日(木)19:30-21:00
登壇者:杉崎栄介、吉田有里、永田賢一郎、伊藤康文
横浜の芸術シーンを牽引してきたBankARTですが、昨年3月に代表・池田修さんが急逝し、転機を迎えました。5月から8月に開催されたシリーズ講座のBankART schoolでは、「これからどうなるBankART」研究会の一部として、「クリエイターの誘致、定着、ネットワーク」と題した講座を実施。弊社の伊藤康文も登壇しました。
弊社が所有する泰生ビル、泰生ポーチ、トキワ/シンコービルの4 棟はいまでこそ多くのクリエイターが入居する拠点ですが、「元々は一般的な不動産業を営んでいて、芸術文化との接点はなかった」と伊藤は話します。しかし、リーマンショックの影響で空室が目立った2010年。横浜市の芸術不動産事業を知ったことでクリエイターの誘致に乗り出し、現在も泰生ビルに籍を置く「NPO法人横浜コミュニティデザイン・ラボ」の入居をきっかけに、クリエイターとのネットワークが広がりました。
同拠点は2012年以来、10年間空室のないビルとなっています。泰生ビルが軌道に乗ったことで、より多くのクリエイターの需要に応えるため、その後泰生ポーチ、トキワ/シンコービルを取得。現在ではシェアを含めて90団体以上が入居しています。
伊藤は「現状復旧の義務をなくしたことで、クリエイターが自由に部屋の内装も創作してくれる。オーナーとクリエイターが一緒にビルの価値を向上させています」と語ります。各拠点の面白さは、クリエイターやアーティスト以外の入居者にも、店舗や飲食店、オフィス、住居とさまざまな用途が重なっているところ。その雑多さや意外な交流が、これからもコミュニティを育む大きな柱となっていきます。